理想の恋愛関係
「無駄かは私が決める事だから……それに私は優斗君以外見向きもしないで待ってるとは言ってないわ。
優斗君と会える様になるまでに、他に好きな人が出来るかもしれないし……」


そんな事は有り得ないけれど、こうでも言わないと優斗君がますます私を重荷に感じるだろうと思った。


「だったら、俺に執着する必要は無いでしょう?」


素っ気ない口調で優斗君は言った。


「……このまま今日を最後に優斗君と別れるなんて嫌なの。だからもう会わないって約束は出来ない……でも、悩みが解決するまで絶対に邪魔しないと約束する。私からは連絡しないと約束する」


私から連絡しなければ、優斗君と会う事も話す事も出来ない。


結局、実質的には今日で別れになるんだと分かっていた。


それでも、さよならなんて口に出せなかったし、認めたくなかった。


「俺は何も約束出来ませんよ」


優斗君の言葉に、胸の痛みを堪えて頷いた。
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