かけぬける青空は、きっと君とつながっている

青い春

 
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その晩、夜遅くに地元に着いたあたしたちは、まだ“17歳”だ、という現実を知る。


「……ご迷惑を、おかけしました」

「すみませんでした……」


間宮さんに背中を押され、駅舎を出たハルと香ちゃんは、駆け寄ってきた親たちにそれぞれ深々と頭を下げ、直後、頬をぶたれた。

ハルはお父さんに、香ちゃんはお母さんに。

ハルのほうは、それでひとまず区切りがついたようだったのだけれど、香ちゃんのほうは、そういうわけにもいかないらしく、少しばかり、込み入った事情があるようだった。

一通り香ちゃんを叱ったあと、ハルへと顔を向けた彼女のお母さんは、底冷えするような冷たい目を向けると、ハルに一言、吐き捨てる。


「……これだから男は信用ならないのよ」


帰りの電車の中で、香ちゃんからお母さんのことはおおむね聞いていて、それはハルも、駆け落ちをする際に覚悟はしていたらしい。

けれど、香ちゃんのお母さんの言葉からは、男性をよく思っていない雰囲気がストレートすぎるくらいに伝わってきて、あたしに対して言われたわけではないのにも関わらず、急激に体温が下がったような感覚に陥った。
 
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