かけぬける青空は、きっと君とつながっている
仲間たちの行方 side.航
3月12日以降の日々は、もしかすると震災当日のほうがまだマシだった、とさえ思うほど、希望も望みも期待も、何もかもを絶望に変えた。
俺自身は、津波に流されていく人の姿を直接見なかったために、ひょっとしたら、震災後の日々のほうが、余計にそう思わせられた原因になっているかもしれないけれど、どんな人にとっても、絶望には変わりがないように思う。
その重さは、一様には計れない。
避難してきた状況も境遇も様々で、心に負った傷の深さもまた、人それぞれに違う。
津波から命からがら逃げられた人もいれば、途中まで流され、なんとか助かった人もいる。
一緒に流され、自分だけ助かってしまった、という人や、目の前で波に呑まれていく人を目にし、どうすることもできない状況下ではあったものの、その人を助けられなかったことを悔やんでも悔やみきれない、と泣く人もいた。
それでも、平等に時間は流れる。
……なんて不平等なのだろう、この世界は。
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「すみません、こちらの避難所に、貝塚秀斗という人が避難していないか、少しお話を聞かせて頂きたくて来たんですけど……」