かけぬける青空は、きっと君とつながっている
果たせなかった約束 side.航
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数ヶ月後。
『もしもし、父さんだが、もうすぐ夏休みだろう? 少し早めに帰ってこられないか? ……お前の友人の貝塚秀斗君が、亡くなったそうだ』
もうすぐ夏休みだという間際のこと。
講義が終わり、携帯を確認すると、父さんから留守電にその一報が入っていて、俺はしばらくの間、携帯を耳に押し当てたまま立ち尽くし、人目もはばからずに、ただただ泣いた。
何事だと不思議そうな顔をし、通り過ぎていく学生もいる中、大学でできた友人たちは、泣く俺をうまく隠そうと、周りに集まってくれる。
彼ら数人の友人たちは、俺が被災地から進学してきたことは知っていて、それなりに仲間のことも話もしてあったために、何かあったのだと敏感に感じ取ってくれたようだった。
その心遣いが嬉しく、さらに涙が溢れ出る。
そんな状況のため、すぐには事情を説明することは難しく、友人たちに支えられるようにしていったん外に出ると、辺りに人気がない中庭のベンチまで誘導してもらい、そこでやっと少し落ち着き、口を開くことができた。
「……悪い、急に。高校のときの仲間が亡くなったって親父から留守電が入っていたんだ」