かけぬける青空は、きっと君とつながっている

9月1日

 
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歩き慣れた通学路に、久しぶりに見る制服や、クラスメイトの顔が並んでいる。

澄みきった田舎の空気に慣れていたせいか、戻ってきたときに感じた街の空気の埃っぽさに、まだ慣れきっていないあたしは、やや口元を手で覆うようにし、久しぶりに袖を通したセーラー服に身を包んで登校途中だ。

ふと見上げた先にある空もまた、建ち並ぶビルに邪魔をされ、窮屈さを感じずにはいられず、どこもかしこもアスファルトの地面をローファーで歩く感覚にも、まだちょっと慣れない。


9月1日、新学期。

今日は始業式と授業が少しあって、時間割を確認すると、新学期最初の授業は音楽らしい。

そういえば、校内合唱コンクールで歌う自由曲は決まったけれど、指揮者はまだ決まっていなかったっけ……などと、夏休みに入る前の様子をぼんやりと思い出しながら校門をくぐる。


下駄箱で靴をはきかえながら校内の様子を見てみれば、廊下のあちこちや教室の扉の付近などでは、夏休み中の出来事を楽しそうに報告しあう生徒たちの姿で溢れかえっていて、それは、自分の教室がある2階でも同じだった。

長い休みのあとの登校は、本当に憂鬱だ。
 
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