かけぬける青空は、きっと君とつながっている

青い空の向こう側

 
それから数時間後。

民宿に戻り、荷物を部屋に置いた間宮さんとあたしは、高台にある展望台を訪れていた。

空には夏の星座が輝きはじめていて、眼下に広がる町並みには家々の明かりが灯っている。


「あたし、間宮さんの言葉のおかげで夢を叶えられたんです。自分なりの小さな夢なんですけど、毎日すごく楽しいんですよ」


そんな中、おばあちゃんの民宿を手伝いながら地元のラジオ局でパーソナリティーをしている、と景色を眺めている間宮さんに報告する。

進路のことは何も言っていなかったから、あたしに会った時点で、民宿を手伝っていることには察しがついたのかもしれない。

けれど、声の仕事に就いていて、しかも自分の番組も持っているとは、さすがに思っていなかっただろうし、と思ったあたしは、感謝の気持ちを込めつつ、大まかな近況を伝えた。


「何を今さら……。そんなの、もうとっくに知ってんだけど。送ったメール、読んでないだろ」

「え、えぇぇ……っ!!」

「はあ……。うっさいわ、アホ」


すると、間宮さんは盛大にため息をつく。

いや、だって……。

じゃあ、あの“小菅菜月様”という不思議なメールは、間宮さんだったというの?
 
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