好きって言うまで離さねぇ。
溺愛*first

✿結婚なんてありえない -侑梨Side-









「お帰りなさいませ、侑梨(ゆうり)様!」



大きな門構えの家の前に止まった、1台の車。


坂井が運転する車から降りて、家までの道を歩くと、使用人たちがわたしの名前を呼ぶ。



坂井(さかい)は、わたしを学校まで送り迎えしてくれる運転手。


まだ30代なのに、老け顔のせいで実年齢よりも老けてみえる。 ちなみに独身。


お兄さんというより、おじさんって感じ。


わたしが小さい頃から、お世話になってるんだ。



「ただいま~」



わたしは周りに挨拶を返してから、いつも通りドアを開け、家へ入った。



――パン、パン!!




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