高のち飛車、ときどき猫
初めまして我が家?

――ガタガタと揺れる車内。揺れ幅が大きいのは、これが軽自動車と呼ばれる車種だからだ。


乗り心地は御世辞にも良いとは言えない。


オレ達が連れて来られた時はセダンだったからな。


この違いは摩擦を吸収し、乗り心地を決定付けるサスペンションの違いだろう。


この二人の車からして、経済状況は芳しくないとも取れる。


大丈夫かこれ? 向かう先は救いの道処か、蛇の道は蛇なのでは? と今更ながら不安になってくる。


それにしても――


『ねぇシンちゃん、ちょっとそこ寄って。やっぱミルク買っていく』


『はいはいオッケイ』


こいつらどんな関係なんだ?


兄弟にしてはよそよそしいし、夫婦にしては若過ぎる。


もしかしてアレか? 恋人同士とかいう訳の分からん関係の制度。


何故か人間だけが、そんな中途半端なのを好みやがる。


やっぱり人間は変な生き物だ。
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