ライラックをあなたに…
「…ぅっ…んッ?痛ッ!」
目が覚めると同時に、鋭い痛みが頭を襲った。
……何? この痛み。
ガンッと殴られるような激しい痛みと、ズギッと刺すような鋭い痛み。
あまりの痛みにこめかみに手のひらを当てると、クラっと視界が反転した。
しかも、視界に入った光景にさらに思考が停止する。
「ここ……どこ?」
見慣れぬ室内、知らない香り。
いつもと違う肌触りの布団に、思わず目を見開いて硬直した。
すると、
「……んッ……おは…よ?」
聞き慣れぬ、少し低めの声に驚いて声のした方へ振り返ると、
ッ!!?えっ?! 誰?!!
初めて見る男性の顔に思わず、
「あっ、あなた……誰?!」
「俺?……寿々さんの…保護者?」
「はっ?!な、何で私の名前知ってんの?」
「え?あぁそうか、昨日の事覚えて無いんだ」
「へ?」
ベッドの中、しかも彼の腕の中で、私は見知らぬ男と朝を迎えた。