なんで俺じゃあかんねん
第2章

ゴールデンウィーク明け。

はじめての席替え。

今までは、先生たちが生徒の名前と顔を覚えるためにしなかったらしい。

担任の先生が教卓の上にたたんだ紙を無数に散らした。


「はい!

じゃあ、窓側からひいてって~。」


先生の言葉に従い各々引いていく。

俺は、さ行だから、けっこう早くに順番がまわってきた。

くじをひいて中の数字を確認した後、先生にくじを返す。


「なあなあ!ハル、何番?」

先に席に戻らず、俺を待っていたらしい斉藤。

「28。」

「28!?けっこう後ろの方やんか~ええなあ!!」


黒板に、1から40までの数字が前の席から書かれた座席表が書いてあって

俺たちは自分がひいたくじの数字の席に座るってこと。

俺は28番で8列中5列目。


「斉藤は何番やったん?」

「・・・・1。」

「っぶっ!!さすがは、はじめくん!!」

「うるさいな~。」

1ってことは、一番前の窓際か・・・・。


「いや、1引くのもなかなかすごいで?」

「アホか。1ひくんも、28ひくんも、確率は同じや。」

「まあ、それはそうやけどな。」


< 65 / 485 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop