浮気は、いいよ。
「・・・・・なんで幸太郎は、そんなに好きな女が他の男に抱かれてるっていうのに、家で指くわえて優里の帰りを待ってんのよ」
「・・・・・優里の気持ちを知る為」
「・・・・・ワタシの気持ちは??」
ワタシの気持ちはどうでもいいの??
ワタシの気持ちはどうなるの??
「沙耶香・・・・・本当にごめん。 もう沙耶香には会わないし電話もしない。 こんな最低なオレのことなんか、早く忘れろ」
そうか。
ワタシの気持ちなど、どうにもならない。
報われないし、実も結ばない。
挙句、『無かった事』になるらしい。
「・・・・・ワタシが幸太郎に電話をかけても、もう出ないってこと??」
「うん。 これが最後」
「・・・・・・絶対イヤッッ!! そんなの嫌ッッ!! なんで??! ヒドイッッ!! 幸太郎、酷いよッッ!!」
冷静でなどいられない。
こんな風に喚いたら、一方的に電話を切られてしまうかもしれない。
でも、喚かずにはいられない。
「沙耶香が正解だよ。 オレから離れる沙耶香が正解。 オレを選んだ優里が間違ってる。 こんなに泣かせる男を選んじゃいけない。
ばいばい、沙耶香」
親友を裏切った代償はこんなにも大きい。
ワタシは1日で、親友を失い、愛する人にも捨てられた。