TABOO†交わる境界線~秘密の恋
「十分にわかってるよ」
「ケン、
やめ…!!」
「お前が欲しいからだ」
私を睨み返すように視線で縛ったまま、剣は荒々しく私の唇を塞いだ。
剣と私の出会いは十年前、大学のサークルで。
サークルのメンバーとは今でも付き合いがあるけど、その中でも剣は特別だった。
不思議なくらい気が合って、気を使わずに済んで一緒にいても楽な相手。
剣は体は大きくて厳ついけど、明るくて優しくて…
なのに今は濃い眉を顰めて、見たことのない憂いを帯びた男の顔をしている。