桜廻る

三、土方side




土方side



準備が、出来てしまった。


布団に寝ている雅の顔を見る。


──俺が、泣かせたのか。


雅の目の周りが赤くて……思わず拳を握る。





「すまない、雅」





手を伸ばして、雅の前髪を梳いた。


一度離れ、もう会えないと思っていた。


だが、会えた。


それなのに……また、離れないといけないのか。


俺は間違っているのか?


自分に問い掛けてみても、分からない。




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