そんな去年の春の日、そいつは現れた。





『日野あかりです!よろしくお願いしますっ…』

『……』





正直、驚いた。

日野あかり。新任としてやってきたそいつは、顔の雰囲気、話し方、体つき…所々が葉月に似ているのだから。



違う、面影を追いかけるあまりに似てるような気がしてるだけだ。そう心の中で否定するものの、やっぱり視線は引き寄せられて





『日野先生、お菓子どうぞ』

『えっ、いいんですか?』

『はい。出張のお土産です』

『ありがとうございますっ』





笑った顔、髪を耳にかける仕草、見上げる瞳。いちいち似てるそれらが、毎日毎日嫌でも意識させるんだ。


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