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どんよりとした空に、ザアア…と音を立て降り続く雨。

季節は梅雨に入った頃。今日も止まぬ雨に私は職員室の窓からは外を見つめた。



(…今日も天気悪いなぁ)

これで4日連続の雨。梅雨なのだから当たり前と言えばそうなのだけれど、こうも毎日雨ばかりの景色ではさすがに気持ちも滅入るもので…おまけに湿気のせいで少しはねてしまう毛先に、小さく溜息をついては自分の席に座ったまま手元の書類をトントンと揃えた。



「今日も雨ですね」

「東先生」



そうしていると後ろから話しかけてきたのは、私より少し年上であり櫻井先生たちよりは年下の男性教師・社会科担当の東先生。

栗色の髪型に細いフチの眼鏡をかけた温厚な風貌の彼は、目を細め柔らかな口調で言葉を続ける。



「予報では今夜あたりやむそうですよ」

「えっ、本当ですか?よかった…通勤の時雨だとつらいんですよね」

「あ、そういえば日野先生は徒歩通勤でしたっけ」

「はい、家が近所なので」

「でも雨の日は大変でしょう?帰り送りましょうか?」

「いっ、いえいえ!大丈夫です!」



私のような一番下っ端にも丁寧に敬語で話しかけてくれるあたりが、やっぱり親切な人だと思う。
その親切心からの申し出に甘えず、私は慌てて首を横に振った。


「おー?なになに、東っちが日野ちゃん口説き中?」



そう話していると、割り込むように話に入ってきたのは授業を終え戻ってきたところだったらしい成田先生。

からかうネタを見つけた、と言わんばかりに彼は笑いながら言う。


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