♡祐雫の初恋♡

「さぁ、送って行きましょう。

 遅くなってしまいました」


 慶志朗は、薄れ始めた虹とともに、現実の時間へと戻る。



「はい」


 二人は、手を繋いだまま歩き出す。



 祐雫は、虹が消えるとともに、

 慶志朗とのひとときが消えるような気分に陥って、

 沈み込んでいた。



 それからは、二人とも無言のまま、

 足早に森の小径を歩いた。




 翳り始めた夕日が、二人の時間を刻々と

 縮めていくように感じられた。





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