「…え……ロディー…様…?」


セルシアが困惑した表情で見つめる先にいるのは、もう少し後に来るはずのロディー。

彼は息を整えると、黙ってセルシアを見ている。

必然的に落ちる沈黙をみかねたノワードが、声をかけた。


「…随分と、お早いご到着ですね。なにか…あったのですか」


しかし、それにしては彼の近くに執事らしき人物も見当たらない。

皆が眉を寄せるなか、ロディーは何故か、はずかしそうに目をそらした。


「…大したことでは、ない。ただ……」


ロディーはさらに顔を赤くさせて、「はっ、」と言う。

『は』?


沸騰しそうなほど真っ赤になったロディーに、益々困惑する。

やがて彼は勇気を出したようにパッと顔を上げると、セルシアを見つめた。


「はっ…は、早く、…セルシアに会いたいと、思っただけだ」


カシャン…

セルシアが、持っていた櫛を床に落とした。


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