月夜の翡翠と貴方【番外集】


ルトは私の頬に手を添えると、優しく微笑んだ。


「…ジェイドは、俺のものだよ」


まぶたに、キスが落とされる。

「…うん」

願うならば、永遠に。

彼の隣で、彼の手で、支配されていたい。


ルトは少し頬を朱に染めると、「じゃあ」と言って意味ありげに笑う。


「…俺は、誰のものだと思う?」


彼の深緑は、しっかりと私を捉えていて。

その瞳が、望むもの。

…告げても、いいのかな。


私は、ふ、と笑うと、静かに起き上がった。

不思議そうな顔をする彼に、にっこりと笑って見せる。

そして、彼の首筋に唇を当てた。


そこに小さく歯を立てて吸い付くと、できたのは赤い花。


驚いたようにこちらを見つめるルトに、ジェイドは頬を赤くしてはにかんだ。


「…ルトは、私のものだよ」


本当に嬉しそうに、彼は笑う。


「ん。俺はジェイドのものね」


愛しい愛しいご主人様は、私のもの。

絶対に離さないから。


どうか貴方も、繋いでおいて。



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