月下の幻影


 残り三つの部屋は、皆同じような部屋だった。

 今の和成の部屋より一回り広く、寝台と小さな洗面台と流しが備えられている。
 来客用の客室のようだ。

 和成はその内の一つを私室にしようと決めて、荷物を運び込んだ。

 あの広い寝室の布団は干してもらうことにして、紗也の私室は引き続きそのままにした。

 いずれ自分が退位する時にでも、片付けてもらおう。

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