攫われる花嫁
永遠の愛を誓う場所

綺麗に透き通った空気。青い空。白い雲。暖かい風に揺れる愛らしい花たち。
みんなみんな、わたしのことを祝福してくれているように感じる。
目の前の全身鏡にうつるのは、真っ白なウエディングドレスを着たわたし。
幸せそうに頬を染めて笑っている。

今日、わたしの長年の夢が叶うのだ。
小さい頃から夢見ていた。愛し、愛され、家族や友人から祝福されながらわたしは結婚するのだと。


「サラ、支度はできたかしら?」

「大丈夫よ。ママ」


部屋に入ってきたママは、今までで一番優しそうな、嬉しそうな、でも、少しだけ悲しそうな顔をしていた。
ママに手をとってもらって、パパの元へと歩き出した。


「パパ、ママ。ありがとう」


わたし、幸せになるからね。
そう微笑んで愛する彼と永遠の愛を誓うキスをする。


「ちょーと待ってもらおうか!!」


ふわりと舞ったのは、白い花びら。
なんの花かなんて、考えている余裕はわたしにはなかった。
わたしが幸せを願ってくぐった扉を壊すんじゃないかという勢いで開けたのは、銀色の髪の男の人。


「え、だれ?」


思わず漏れた声に、わたしの隣に立って唖然としていた彼が眉間にシワを寄せた。


「早く追い出せ」


冷静な彼はわたしの肩をきつく抱きながら言う。親戚や友人が男を追い出そうと立ち上がってくれた。


「まあまあ、短気なアンタは黙ってなって。外野のみなさんもちょっとだけ大人しくしててもらっていいですかね?」


チラリ、男と目が合う。
そこから何故か視線が離せなくて男の紫がかった目を瞳を見つめる。
目が、離したくても離せない。


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