その日、王宮の王の謁見の間では多くの貴族と王の側近と高官達が集められた。

 玉座に座るのはガーラント王、ベルナルト・シルヴァ・ガーラント。

 数々の功績を残した先王と比べると秀でた所の無い凡庸さと、美しい息子達と比べると平凡な容姿といった、凡人さの目立つ王ではあるが、凡庸だと己をきちんと自己評価出来ているベルナルトは、大国の王という地位に酔いしれる事無く臣下達の話にも良く耳を寄せ、真面目な性格が現れた良い統治を行っている。


 ベルナルトは集まった者達を見回し口を開く。
 話す内容は近年頭痛の種となっていた問題だ。

 
「皆、よく集まってくれた。
 皆を集めたのは他でもない、ここ数年問題となっていたアレクシスとフィリエルどちらを次の王にするかという話だ」


 王の言葉を聞きざわざわとざわめきが起きる。
 喜んでいる者、難しい顔をしている者、周りの様子を窺っている者など様々だ。
 騒がしくなった広間にベルナルトが手を上げるとざわめく声が一瞬で止んだ。


「まずフィリエルだが、過去を振り返っても類を見ない強い魔力を持っている。
 その力はこのガーラントに仇なそうとする国にも抑止力となりえるだろう」


 王の言葉にフィリエルを次の王にと推していた貴族達の顔は喜色をあらわし、アレクシスを推していた貴族達は悔しげな表情を浮かべる。

 しかし、次の王の言葉で一変する。


「だがしかし、それは王である必要はない。
 むしろ、別の場においてこそ、その力は有効に活用出来るはずだ。
 何よりフィリエル自身がアレクシスを補佐する側になりたいと、王になる事を拒否している」



一気にフィリエル派の貴族たちの顔が強張る。

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