「吉野、金曜なんで待っててくれなかったんだよー」

月曜、昼休みの食堂に、松浦の弱々しい声が響いた。
ガチャって、A定食の乗ったトレーをちょっと雑に置いた松浦が、隣に座る。

波打つお味噌汁がこぼれそうで、思わず顔をしかめた。

「もう少しそっと置かないとこぼれちゃうよ」
「お味噌汁もだけど、もう少しそっと置かないと、音にびっくりした優花が離れていっちゃうかもね」

にこっと笑顔を向けた知美が、私の後に続く。
私の向かいの席に座る知美に眉をしかめた後、松浦は「ごめん。びびった?」と私を見た。

「少し……でも大丈夫だよ」
「今のところはね。
でも、男が苦手な優花とせっかくこうして友達になれたのに迂闊な事してると嫌われちゃうかもしれないけど」
「……気をつけます」
「私、そこまで臆病でもないんだけど……」

苦笑いしながら言うと、知美が真顔になる。


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