Daddy Long ....
2.事件

学校が終わると、スーパーで買い物を終えてそのまま急いで家に向かった。

父はいつも7時ごろに帰ってくる。
それまでにご飯が用意できていないと何が起こるか分からないのだ。

ご飯だけではなくてお風呂の支度もして、洗濯物も片付けておかなければならない。
父と暮らしていくうちに分かってきたルールだ。

学校が終わるのが3時ごろなので、時間としては十分に余裕があった。
校庭で遊んでいる友達を羨ましく思いながらも、早く帰って家事をするためにその脇を通って一人学校を後にする。
そのまま買い物に向かって家に着いたのが4時だった。

今からなら間に合う。
ほっと胸を撫で下ろしてまずランドセルを自分の部屋に置いてきた。

買い物袋をキッチンに運んで、今日使う材料以外を冷蔵庫にしまう。
まずはお風呂掃除をすべく、浴室へと向かった。

洗剤を浴槽に撒いてそこをスポンジでこすっていく。
小学校4年生まで背の順で並ばされたとき、私は必ず一番前だった。

その時はこの風呂掃除も大変に感じたが、6年生になってから急激に伸び始めて、今はクラスの平均に届くまでになった。

少し狭く感じるようになったけれど、それでもまだ広い浴槽を洗いあげシャワーで流して湯を張る。

それが終わると洗濯物の入った洗濯機に、洗剤と柔軟剤、水を入れてスイッチを入れる。

そのままキッチンへと向かい夕食の準備にとりかかったのは4時半だった。


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