【完】結婚させられました!?
音夜君の瞳に映るのは、私で。
その瞳はこれっぽっちも揺らいだり、し
ていなかった。
「お前を諦めないからな」
揺れる。ぐらぐらと。
その瞳が確かな色を宿せば宿すほど、私
はほだされそうになる。
ゆっくりと。
気づきたくもない感情が、私の足元を浸
していたんだ。
離れようとすれば、いつの間にか近づく
距離。
のがれることの出来ない呪縛のようなそ
れに。
抗う方法を知りたいと願った、夏の日。