O.L.~Maple Honey Syrup~
大きな手

甘さLevel ★★★★☆

『麻希さ~ん』



社食を覗くとテーブルをせっせと拭いている麻希さんに声を掛けた。



「どうしたの?」
『誕生日プレゼント何が良いかな?』
「聞いてみたら?」
『何でも嬉しいって…』



何でも相談する麻希さんに言うのも恥ずかしい言葉。



麻希さんは「フフフッ」って笑っている。



「身につけている物で年期の入った物とかない?」
『名刺入れがクタってしてる』
「それとなく聞いて思い入れがなければプレゼントしたら?」
『うん!そうする』



麻希さんの助言を貰い社食を出る。



「おや…」
『お疲れ様です』
「お疲れ」



そう言って中へ入った。振り返ると、麻希さんとにこやかに話しをしている。



それも直ぐに終え自販機へ向かった。



これじゃぁ…ストーカーだよ…。



部署へ戻り帰り支度をする。鞄に入れたままの携帯を取り出すとメールが入っていた。



【早く終わりそう?俺は早く終わったよ。晩御飯如何ですか?】



久し振りのデートだぁ!大きなプロジェクトを抱えていたからずっと忙しそうだった。
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