ベストマリアージュ



もくもくと大きくなっていく雲を見つめながら、夏だなぁと思う。


ベッド脇の窓枠に頬杖をつきながら、私はボーッと空を眺めていた。


もうすぐ昼になるというのに、いまだパジャマのままでエアコンもつけずに、窓から入ってくる心地よい風にただ身を委ねている。


世の中は夏休みに入ったようで、子供たちがプールに行く様子が、二階の窓からよく見えた。


(夏休みか……)


私も夏休みみたいなもんなのかな?


大地と離婚が成立した後、私はマンションを引き払って実家に帰ってきていた。


幸い、離婚してから決めたパートも実家からそう遠くなかったし、通うのに便利だと思ったからだ。


離婚の条件の一つは、二人が住んでいたマンションを売りに出すことだった。


大地が出ていって、ひとりぼっちで住むには、あの部屋は広すぎたし、かといって自分が出ていって浮気相手の女があそこに住むのは許せなかった。


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