夜桜と朧月
Ⅱ
やきもきしながら待つこと15分あまり。
ようやく開いた寝室のドアに走り寄る。
「……バレた」
開口一番、薫が言う。
バレた?
「お前との仲。お義父さんに。……つーかお前、さっきお義父さんと話してて、俺の事名前で呼んだろ?それでピンときたらしい。あと、正月に行った時の俺達の態度にも疑問点があった、ってさ」
うわあぁぁ!!迂闊だった!!
「……で、……あの。お父さんは何て……?」
まさかまた、「絶対許さん!」なんて言われたらどうしよう。
私どこにもお嫁に行けなくない!?
「少し考えさせてくれって。今はほら、お義父さんもあいつを亡くしたばかりで、心の整理が追い付かないからって。だから一周忌までは、どっちの親達にも言わないつもりだったんだけどな」
はううぅぅ。
「……ごめんなさい……」
しゅんと首を垂れる私の頭を優しく撫でて、キッチンへ向かう薫の後を追った。
「ま、気にすんな。言うのが早いか遅いかの違いだけだから、問題はねーだろ」
言いながら薫は冷蔵庫から発泡酒を取り出し、プルトップを開けた。
そして一気にそれを煽る。
ようやく開いた寝室のドアに走り寄る。
「……バレた」
開口一番、薫が言う。
バレた?
「お前との仲。お義父さんに。……つーかお前、さっきお義父さんと話してて、俺の事名前で呼んだろ?それでピンときたらしい。あと、正月に行った時の俺達の態度にも疑問点があった、ってさ」
うわあぁぁ!!迂闊だった!!
「……で、……あの。お父さんは何て……?」
まさかまた、「絶対許さん!」なんて言われたらどうしよう。
私どこにもお嫁に行けなくない!?
「少し考えさせてくれって。今はほら、お義父さんもあいつを亡くしたばかりで、心の整理が追い付かないからって。だから一周忌までは、どっちの親達にも言わないつもりだったんだけどな」
はううぅぅ。
「……ごめんなさい……」
しゅんと首を垂れる私の頭を優しく撫でて、キッチンへ向かう薫の後を追った。
「ま、気にすんな。言うのが早いか遅いかの違いだけだから、問題はねーだろ」
言いながら薫は冷蔵庫から発泡酒を取り出し、プルトップを開けた。
そして一気にそれを煽る。