あの頃…
「まあ、良かったな、立花」

「はいっ!!…あ、そうだ。黒崎先生、まだこの間のお礼、言ってなかったので。この度は大変お世話になりました。今後は一人突っ走らないよう注意したいと思います」

いろいろご迷惑おかけしました

「立花が素直だと気持ち悪いな」

「ちょっと!!人がちゃんと反省してるのに!!」

何を言うんですか!!

きっと睨み付けてくるブラウンの瞳は、いつだってまっすぐ

「もう。せっかく黒崎先生って実は優しいんだなー、って認識新たにしてたのに」

「俺は与えられた責務を全うしてるだけだ。優しくなんてない」

というわけで、今日、結紮のテストな

そう言い残して去っていく大きな背中

やっぱり、絶対優しくなんてない

大きく息を吸い込んで

「この、鬼ー!!!」

絶対にいつか、越えてみせる

そう、誓いを新たにした

< 29 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop