弁護士先生と恋する事務員

 センセイ、語る



週末。


先生のリクエストで、すっかり恒例となった食事会が開かれる事になった。


今回のメンバーは、事務所のスタッフ4人に加えてジュリアさん、ソニアさん、それから尊君と瑶子さんも参加してくれる事になったのだった。


回を追うにつれ、どんどんメンバーが増えているような気がする。


応接セットも一つでは足りなくなって、二つのテーブルをくっつけて

全員が座れるような大きなテーブルにした。


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「うぃーッス、お邪魔するねー。ジュリ、王子の隣ぃ。」


「ソニアでーす!お邪魔しまーす♪」


夕方、双子みたいによく似たヘアメイクのジュリアさんとソニアさんが、にぎやかにやってきた。


「コータロー先生、お元気ぃ?早くソニアと結婚して♪」


「おう、ソニア。お前、少しは料理できるようになったか?」


「まかせて!最近の自信作は粗挽きソーセージだよ。茹でてマスタードをつけたらビールのつまみに最高♪」


「おう、あれ美味いよな。プリプリでパリッとはじけて……ってまあ、美味いけど、それを料理と言われるとなあ。もうちょっと修行して来い!わははは。」


「え~、コータロー先生のケチー。」


相変わらずのノリでソニアさんは剣淵先生の隣に座った。



「こんばんは、お邪魔します。」


「先生、来たよー。」


瑶子さんと尊君もやってきて、大きなテーブルの周りにわいわいと人が集まった。


~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*


今回のメニューには、少々頭を悩ませてしまった。


先生が尊君に、無駄にハードルを上げるような事を言ってしまった事、

それから中学生男子の口にも合うようなものって何だろうと悩んで。


ああでもない、こうでもないと考えている私を見て柴田さんは



「あらあ、そんなに悩む事なんてないわよ。

みんなで集まってわいわいと楽しく食べれば、何だって美味しいわよ!」



そう言っていつものようにがはは!と笑ってくれたから


(そうだ、おばあちゃんも同じような事を言っていたっけ。)


気持ちが楽になった私は、思いつくまま献立をノートにメモしていった。
 

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