戦国姫†絶対零度の雪姫†




『ゆ……き……』



『喋るな、私が助けるから』



少年は、続ける。



『俺の、最期の願い……きいてくれるか?』



『最期など言うな。縁起の悪い……だからっ!!東雲っ!!喋るなっ!!』



『いい。俺はもうじき死ぬ。だから、雪、オマエに願いを託そう』



『しの……のめ……?そんなこと………言う……なよ……』



少女はポロポロと大粒の涙をこぼす。



『俺は、雪、オマエが全国統一する姿を見たい』



『東雲っ!!もう……お願いだから……しゃベ……るな……よぉ』



『俺の……夢……確かに、たくし……た……ぞ………』



ぷつりと糸が切れたように少年は動かなくなった。



『東雲?なぁ、返事しろよ東雲?』



返事は、無い。



< 2 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop