†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子
第4夜.新月の夜


「理由を、聞かせてください。」



拒否権がないなんて、納得できない。


理由があるなら、聞きたいし

単なる遊び半分なのだとしたら、絶対に断る。


私は、平穏に慎ましく過ごしていきたいの。



「俺が、お前を選んだから。」

「は?・・・それ、だけ?」

「あぁ。」



まさかの、それだけ・・・。

あぁ、なんだか頭が痛くなってきた。



「君は特別なんだよ。」



颯斗さんが、フォローするように口を挟む。

けれどその言葉は、私が暗い場所の次に嫌いなもの。


あの部屋から出てきた時に言われ続けてきた。

『君は特別な子なんだ。』『特別な力があるんだ。』


私は、特別になんてなりたくない。

特別な力なんて・・・あんな力なんて欲しくなかった。

普通に生きて、普通に暮らしていきたいのに・・・


< 34 / 391 >

この作品をシェア

pagetop