乙女桜〜誠の武士〜


陽凪が例の部屋に閉じ込められてから
一週間がたった。
一度脱走を試みたものの、
部屋には外から頑丈な鍵が
してあるようで開かなかった。

永「………ったく。
お前もさっさと吐けばいいのによ。」

「…俺は…なにも知らない。」

吐けと言われても、
私は何もしらない。
何度知らないと言っても
誰にも信じてもらえない。
私の心はあの地獄の日々と同じように
ボロボロになっていた。
さっさと殺してくれればいいのに…。
と何度も思った。

バシッ!

「………っあ!」

また鞭で叩かれた。
治癒能力に長けているとはいえ、
連日行われる拷問による傷は
陽凪の治癒能力をもっても、
傷の治りが間に合っていなかった。

薄暗い部屋の床は、
陽凪の血によって色づいていた。


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