同棲生活·2
樹里は何か隠している。
でもそれが、検討つかないんだよな。
本人に聞いてもはぐらかされるだけ。

“疑問”だけが残されたまま、毎日が過ぎていった。



「うわっ。降ってきやがった」

オレは独り言を言っていた。
7月も下旬に入ったある日、夕方に突然の土砂降りの雨。

天気予報では夜から降り出すと言っていたから、傘は持ってこなかった。

今日はオレも樹里も定時上がりだけど、樹里はオレより先に事務所を出て行ったから、会社にいる確率は低いだろうな。

朝、念のためとか言って、樹里は傘を会社に持って行っていたのを知っていた。







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