上司と上手につきあう方法【完結】

なまじっか顔が整っているだけに、本当に怖い。



「いえ、なにも……」



企画書を手に取り、すごすごと自分のデスクに戻る私。



「――美琴(ミコト)、またボツ食らったの?」



隣の席の、佐藤紗江子が首を伸ばして私の手元を覗き込む。



「うん……自信あったんだけどな」



企画書の中身は、新しいファンシーグッズの提案だった。


私が勤めて四年目のこの会社「ダブルベリー」は、ジュニア向けの雑貨の制作、販売を行っている会社だ。

30年近く、女の子向けのシールなんかの通販を細々とやっている会社だったのだけれど、ここ数年で、ショッピングモールなんかにも直営店を出すほどまで成長し、小学生の女の子たちに大人気だったりする。



「でも、部長がダメだっていうんなら、やっぱりダメなんだよ。諦めて練り直すか、新しいの考えなよ」

「うん……」



< 2 / 361 >

この作品をシェア

pagetop