Love Connection
* 始まり。
---春めいた朝。

今年からの春は いつもとは違う。

だって、私 「星野 咲月」は

今日から中学生になるんだからっ!


2013年 4月 8日。

ドキドキの1日が始まるッ・・・。


「あーーーーーッ!!昨日は緊張してぜんっぜん眠れなかったよぉ~~~!!」

ドタドタとリビングに駆け込み、大声で叫んだ。

「咲月の事だからそうなるとは思ってたわ・・・。ま、せいぜい頑張りなさいっ。」そう言ったのは、「夏月」っていう私のお母さん!

「ふぁ~~い」目をこすりながら、制服を手にとった。

「今日から3年間着るんだ・・・。へぇ~~、セーラー服って、こんな風になってるんだー。げっ!!私の苦手なリボン結びしなきゃいけないじゃんっ!」

ぶつぶつ言いながら、ゆっくり制服に着替えた。

「・・・ブカブカ・・・」

ま、でもそのうち、この長い裾も短くなってくるんだろーけどッ!

「咲月~、そろそろ出た方がいいんじゃないの?」

そうお母さんが言った。

小学校の時よりも、中学校は遠い所にあるから 早めに出ないといけない。

「そーだね。んじゃ!いってきま~すっ」

ドキドキしながら、玄関を出た。


「仲いい子と 一緒のクラスになれるかなぁー・・・」



一人でブツブツ言って、考え事をしながら歩く事40分。

「やっと着いたー。疲れちゃったよ・・・」

---ここが、桜丘中学校---


門の所では、たくさんの生徒が集まって、クラスの名簿を見合ってはしゃいでいた。

「咲月~~っ!おはよー!!」

そう言って駆けてきたのは、小学校の頃の仲良しメンバー。

「おはよ~ッ!ねねね、あれってクラスのメンバーが書いてある紙?」

「うん!咲月が来るの待ってたよー。皆で一斉に見るためにねッ」

一人の友達が言って、皆は笑いあった。




「せ~ので見るよ・・・ せーのッ!!!」

バッ

・・・・え?あれ? 私の名前が載ってるクラスがない・・・

あッ!あった!!

---って・・・

「8組ぃぃぃぃぃぃーーーー!!!!!?????」

「え~~~っ!!咲月、一番最後のクラス!?(笑)」

よりにもよって、8組とは・・・。

仲いい子いるかなぁー。  ---とその時

「っ!!さっちゃん! 私も8組だよッ!!!」

そう言ったのは、超仲良しの「大島 星奈」。

「うそ!星奈も一緒!?やったぁ~~ッッ」

2人でピョンピョン飛び跳ねて、喜び合った。

「いいなぁ~、2人とも・・・あたし1組だよ」

「私は3組~」

「うちは4組だよぉー」

その他の友達皆は、別のクラスだった。

でも、星奈と同じクラスになれて嬉しい!

えへへッ




ドキドキの入学式。

私はクラスのメンバーよりも先に、担任がどんななのかがすごく気になった。

やさしい先生だといいけど---・・・。


そして、8組の担任の名前が呼ばれた。

「8組の担任、木元 卓先生」

そして木元先生が頭を下げた。


・・・んー・・・。

なんか、怖そうだなぁ・・・。

一気に不安になってきたかも・・・




8組の教室へと入った。

---ここが、今日から1年間お世話になる教室ッ・・・。

「えー、さっきの説明でもご存知だと思いますが、私8組の担任を務めさせていただきます 木元卓です。 僕、こう見えても元ヤンチーで、(笑)とにかくしっかりしてなくて、整理整頓が苦手なんですよー」

先生はすっごく面白くて、皆笑っていた。

なーんだ・・・いい先生じゃんッ・・・。

スッと不安がとけていった。




「んな、連絡書いていくよー。連絡帳出して、書いていってなー!」

そう言われ、連絡帳とペンケースを取りだした。

・・・えへへッ このペンケースやっぱ可愛い♥

これにして良かった---・・・


なんてボーッとしてたら、すでに皆連絡帳を書き始めていた。

先生のチョークを持っている手もスイスイ進んでいく。

ヤバッ!!私の馬鹿っ

慌ててペンを取りだしていると、後ろにいたお母さんがヒソッと小声で

「アンタ・・・ボーッとして、大丈夫なの? んもー。今日から中学生なのよ?しっかりしなさいよ」

うぅ・・・

お母さんのその言葉が、自分にグサリとつきささった。


そして、慌ただしくペンをカチカチッとやる。

・・・あれ? もう1回カチカチしてみる。

なんで?芯が出てこない---・・・


っああああーーーーー!!!!! 私、可愛いペンはちゃんと準備してて、シャー芯入れるの忘れてたッ!! どーしよう。シャー芯は今持ってないし・・・。

その様子を見ていたお母さんがハァッとため息をついて、

「・・・シャーペンじゃなくても、ボールペンでも使えばいいじゃないの・・・」

あ、そうか。

少し冷静になって、ボールペンを探してみた。

良かった、あった・・・。


そんな私の様子を、近くの席に座っていた男子が見ていた。

んぎゃーーーっっ 恥ずかしすぎるッ・・・。

しかも、なんか目線が冷たいような・・・


でも、そんなの気にしてられない!

荒っぽい字で、ササッと連絡帳を写した。

汚い字だこと・・・




そして、一通りの先生の説明が終わった後、すぐに帰る時間になった。

「規律、礼。さよーなら~」そう先生の号令がかかった後、皆は一斉に飛び出した。

結局、今日1日は休み時間とかがなかったから、クラスの子に声かけるチャンスがなかったなぁー・・・。

「さっちゃん!と中まで一緒に帰ろッ!」

後ろから星奈にそう呼び止められた。

「うん!あ、そうだ。これから1年間よろしくね!」「こちらこそッ」

そして、2人で楽しくおしゃべりして帰った。

「明日さ、一人で居る子とかに声かけてみない?」

「いいね!そうしよっ!!」

星奈の提案に賛成し、私はご機嫌で家に帰った。




次の日。

「いってきま~すっ」

「咲月、忘れ物ない? あ、車には気をつけていくのよー」

「わかってるよーッ」

そう言って、玄関を飛び出した。


今日から、本格的な学校生活が始まる!!


ルンルン気分で歩いていると、後ろから誰かに呼び止められた。

「あれ、さっちゃん?」

「え?」

くるっと振り返ってみると、

マンションの近い、小学校の時同じクラスだった久留巳ちゃんがいた。

「久留巳ちゃん!久しぶりッ」

「久しぶり!ねねね、さっちゃん何組になった?私2組なんだー」

「2組かぁ~ 私は8組だよッ」

その時、久留巳ちゃんはハッとした顔になった。

「8組って・・・ あの人気のある子がいるじゃん!」

「・・・へ?」

誰の事かさっぱりわからず、私はとまどった。

「8組に、福村 翔っていう男子いるでしょ?かっこいいよねッ!! 学年でも結構モテてたんだって~!!!」


・・・福村 翔・・・?
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