政略結婚~天使に導かれて~
社会人として
その後、愛は、勤め先の社長と人事部長に会い、他の新入社員と同じように
してもらう事、そして決して島津の人間として扱わないようにお願いをした。

ただ、他の社員は、4月の入社後、研修を行った上での配属が決まるが
愛の場合は、既に極秘で総務部の秘書課で働いてもらうことが決められ
悠太が、出社するときに悠太の秘書として働き、それ以外の時は、秘書課の
仕事をこなすことになった。

この人事に関しては、愛の取得している資格や留学経験などを考慮しても
本来なら、本社でも採用したいくらいなので、社長も人事部長も賛成した。

愛にとって、入社するまでの間、光太のナニーを決めたり、
愛の入社する会社の事を勉強したり、かなり忙しく過ごした。


***********

4月1日・・・・・・・入社式

愛は、『島津グループ』の入社式に出席していた。

愛は、『島津製鉄』の席に座り、隣に座った女性から声をかけられ

「私、夏目 今日子、よろしくね!」

「私は、片倉 愛、こちらこそよろしく!」

隣に座った女性は、楓に少し似たような雰囲気の女性で、美人だった。

会社で愛は、島津の姓ではなく、母の実家の姓の『片倉』を名乗った。

入社式は、滞りなく進み、最後に、悠太の挨拶が始まった。

「この4月から、島津建設の専務と島津製鉄の副社長を務めます
『島津 悠太』です。 皆さんは、・・・・・・・・・・・・・・・」

悠太が、挨拶を終えると、ひそひそと、

『なんか、すっごくイケメン!!』

『いやぁー、本社の専務とうちの副社長って、随分若くねぇー!?』

『島津の息子なんでしょ!?・・・』

などなど、小声でいろんな会話が聞こえて来た・・・。

『きっと、今の悠太のように、颯太もいろいろ言われたんだろうな・・・・』

と、愛は思わずにはいられなかった・・・。


< 164 / 225 >

この作品をシェア

pagetop