政略結婚~天使に導かれて~
愛の想い
昨夜、今日子たちと久しぶりに飲みに出かけた。

颯太の三回忌が済んでから、周りの時間も動き出したかのようで
楓と孝太郎が、婚約し、来春結婚式をあげることになり、久しぶりに
西園寺としては、良いニュースだった。

光大も、日に日に大きくなり、最近では、私よりも悠太さんが大好きで
お風呂も寝るのも、悠太さんで、私やお義母さんは、

「全く、良い所ばっかり悠太が持って行くのよね・・・」

と、零すほどだった。

そんな風に、最近は、気持ちも落ち着き、久しぶりの飲み会は、機嫌よく
飲んでいた。

しかし、別な席を見ると、悠太さんが友人たちと飲んでいるのが見えた・・・。

その中で、一人だけ女性がおり、どう見ても、悠太さんに気があるように見え
終いには、その女性から睨まれてしまった・・・・。

気にしないようにしていたが、いくら他に男性が居ても、その中に女性一人
という事は、よほど親しいのだという事が解る・・・・・。

愛は、何となく胸が痛み、気分的に面白くなかった・・・。

そうは言っても、悠太は、颯太の弟で、私達親子の面倒を見てくれるのは
颯太の遺言があるからだと、自分に言い聞かせていた。

「愛、どうしたの?ボーッとして?」

「ううん、なんでもない・・・。それより久しぶりに飲むお酒は、
 美味しいね・・・・もう一杯、貰おうかな!?」

「愛、今日は、飲むね・・・・・」

「うん、最近、嬉しい事が多いから・・・」

そう皆には誤魔化したが、愛の心は、穏やかではなかった・・・。
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