政略結婚~天使に導かれて~
秘書課の人たちが騒いでいる中、

「望月君、それじゃー、後は頼んだよ。」

「はい、いってらっしゃいませ」

愛と颯太は、楽しそうに会話をしながら、エレベーターに向かった。

「いや~、ありゃ~お似合いのカップルだわ!!」

と、秘書課の人達は、ため息交じりに呟いた。

本当に、似合いのカップルだ! でも・・・・・颯太は、私の颯太なのに!

そう叫びたかった!そんな栞の心の声に気付いているように

「あなたも、引き際が肝心よ。諦めなさい。専務は、奥さんに惹かれ
 始めているわよ。」

と、小声で栞に話しかけてきたのは、秘書課の主任で、社長の愛人でも
ある、相楽 博美だった。

「相楽さん・・・・・」

「今日、飲みに行く?」

「はい・・・。」

栞は、小さく頷き

「じゃー、さっさと終わらせて、行きましょうか!?」

栞は、博美の言葉を聞きながら、これから先の不安を隠し切れなかった。
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