政略結婚~天使に導かれて~
「えっ・・・博美さんも・・・」

「奥様に、私の事がばれたみたいでね・・・・それに会長にもばれて
 社長もかなり言われたらしいの・・・・」

博美さんは、やはり2年前から、社長の愛人をしていた。

私が、颯太と付き合うようになってから、博美さんからいろんな相談に
のってもらい、私のお姉さん的な存在だった。

「博美さん、どうするんですか?」

「うん、会社、辞めようと思うのよ。社長と別れれば、部署替えをしなくちゃ
 ならないし、部署替えとなると、私は年だから、皆、怪しむでしょ!
 それに、退職するようなら、退職金も上乗せしてくれるらしいの。
 それなら、退職して、別な道を歩もうと思っているの・・・・」

「博美さん・・・・・」

「だから、栞も、専務とどうなるかわからないけど、きちんと向き合いなさい
 そうしないと、後悔するから・・・」

「・・・・・はい・・・・・」

二人で、しんみりしながら、その日は別れた。

颯太は、そのパーティー日から、私とのマンションに戻ることは、なかった。
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