政略結婚~天使に導かれて~
颯太は、心から可愛いと、思っていた。

愛の表の顔と、本当の顔を知れば、知るほど愛しいと、この短期間で
思っている自分が、可笑しかった。

栞とは、仕事の延長もあってか、なかなか本心まで見せることがなく、
また栞もどこかで、気を使っているのが解っていた。

栞の事は、好きではあるが、『愛しい』とまでは、思えない・・・・。

これは、本当に、覚悟を決めて栞と話さないと・・・・

そんな事を考えながら、颯太も眠りについた。

結婚式を挙げてから、まだ1週間だが、二人の距離は確実に縮まっている。

颯太は、翌日曜日も、休日出勤をしなくてはならず、翌朝、げんなり
しながら出勤して行った。

愛は、そんな颯太を見ながら、自分の中で、颯太に対する思いが
確実に変わって来ているのがわかり、でも答えを出すのは颯太なので
彼が、きちんと答えを出すのを待とうと、それまでは、自分の気持ちに
蓋をすることにした。
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