きんぐさり

傲慢な神様




怠惰な仙人・椎名さんを箒で神社外へと追い出し、やっとのことで掃除を始める。


だけどやっぱり、今日もあの人と会うはめになりそうだ。



「………ですから、狛犬の上で寝ないでくださいッ。第一暇なら、誰かの願い事でも叶えてあげればいいじゃないですか!」


「はん?おい小娘。テメェ誰に向かってンな口聞いてんだ。俺がどこで寝ようが勝手。

願い事叶えるかどうかも俺の勝手だ。
俺に指図すんな」


「っ………あ、相変わらず傲慢ですねぇ……っ」



怒りの余り箒を握りしめ過ぎて、今にも折れそうになるのを堪えつつ。

今日も狛犬の上でだらしなーく天を仰いでいるキャツをキッと睨みつける。



「【神様】がそんな態度で、いいと思っているんですか?ろくに仕事もせず口だけ達者で……。

だから今時の若者にだって信仰されてないんですよ!」



そう、この傲慢なる態度をとった人物は、この神社に住み着く【神様】なのだ。

名前は【禅】(ぜん)。


ちなみに、椎名さんといい禅さんといい、二人の名前は私がつけたもの。


お二方曰く、

「名前?忘れた」

………だ、そうなので。勝手ながらも付けさせていただきました。はい。
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