16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

閉じ込めた記憶

「親睦会しない?」



大声でそう言ったのは名良橋君と仲がいい、バスケ部の高野君だった。

私には関係のないことだと席を立つ――と、誰かに肩を掴まれた。

あ……私、この手知ってる。

恐る恐る振り返ると、案の定、そこには険しい表情の名良橋君がいて。



「どこ行くんだよ」

「……私には、関係ないもん」

「なくないだろ、お前もクラスの一員なんだから」



やっぱり、名良橋君って何考えてるのかわかんない。

私がクラスの親睦会に行ったって、孤立するだけって目に見えてるじゃん。

1人はつらい、だけど誰かを1人にさせる方がつらい――そんな私の気持ちを推量してよ、なんて。

思うだけ無駄か。



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