アウト オブ ザ ブルー

看護師達もみんな忙しそうにしているので、心配事があってもなかなか声をかけられず、


自分ひとりが無人島に置き去りにされたような気がしてならなかった。




マサはこないだまで私を拒んでいたはずなのに、入院を知ったとたん急に態度を変え、毎日面会に来てくれるようになった。


けれど私達は特に何か話すわけでもなく、マサはただカーテンの向こうから顔だけ覗かせて、


「具合どう?」とか「何か困ったことはない?」とか聞いてくるだけだった。


私が「大丈夫だよ」と告げると、彼は「そっか。大事にしろよ」だけ言って帰って行くことが多かった。



彼の中からまだ私に対する怒りとか失望とか、そういう類の感情が消えてないんだろうなと思った。
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