アウト オブ ザ ブルー

「キーチから聞きました。ミッチ先輩、マサ先輩と結婚されるんですよね?おめでとうございます」


いきなりそんなことを言われ、私は返答に迷った。


「深雪ちゃんこそキーチと一緒になるんでしょ…?おめでとう」


とりあえずそう言うと、


「ありがとうございます」


と深雪ちゃんは微笑んだ。



それから私が連れていた点滴に目をやり、


「赤ちゃんも生まれるって聞いてたんですけど…、入院されてたんですか?」


と新たな質問を投げかけてきた。


「うん、切迫早産って診断されてね…。けどだんだんよくなってきてるから、もうそろそろ退院かなとは思ってるんだけど…」


思いがけない再会に内心ドキドキしつつも、私は思いっきり作り笑顔を見せた。


「そうですか…。予定日はいつなんですか?」


「5月だけど…、深雪ちゃんは来月なんだよね…?」


私がそう聞くと、深雪ちゃんは苦笑いした。


「それが…、先週検診に行ったら、赤ちゃんの首にへその緒が巻き付いていることと赤ちゃんの心拍が急激に下がっていることがわかって、急遽帝王切開をすることになっちゃったんですよ…」
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