裏面ワールドトリップ
言葉小人の力
目が覚めて、見慣れない光景に一瞬戸惑う。


木の天井、壁

深いグリーンのカーテン

それを留めている、植物のつるで編まれたタッセル。



――あぁ、そうだ。


私は、あのおばあさん

ローゼさんの家にいるんだっけ。



横たわったまま背伸びをし、首だけ動かして、もう一度家の中を見回してみる。


キッチンにはローゼさんの後ろ姿。


テーブルの上に私のウイスキー。



既に夜は明け、窓からは青空を横切るくっきりとした白い太縞と、朝日に輝くみずみずしい森が見える。


この世界でそれを朝日と呼ぶのかは知らないが、少なくとも惑星を照らす太陽のような星は存在するようだ――

寝起きの頭にもやもやとそんな考えが浮かび、消えていった。
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