今日は私の結婚式。
春の暖かく晴れた大安のこの日、私は幸せな花嫁になるのです。

式を挙げると決めてから今日までたったの一ヶ月。
急にこんな盛大なお式がよく挙げられたなと我ながら思う。
けれどそれもそのはず私の旦那様になる人は、誰もが知っている有名企業の2代目社長なのだから。

社長と言ってもまだ33歳の彼は6年前、父親である先代の社長が急死したために若くして社長に就任した。

その辺りは興味が無いので詳しく聞いてないが、とにかく次期社長というのは前から決まっていた事だった。
要するに私は社長夫人、それも超のつく玉の輿なのだ。

そんな私の名前は 樋口葵。
苗字は今日から「仙石」に変わる。
年齢は20歳。
旦那様になる人とは13歳も差があるので彼はよく冷やかされている。

とにかくこの披露宴は一体何人の招待客がいるのだろうか。
挨拶、挨拶、いつまでたっても挨拶だ。

私の知ってる披露宴は、新郎の友人がちょっと恥ずかしいエピソードを織り交ぜたスピーチをしたり、新婦の友人がカラオケで練習したお祝いソングを一生懸命歌ってくれたり、そんな披露宴だったのに。