その日の夕方、私はとても退屈だった。
最近旺介さんは夕食の頃には帰ってきてくれる。
だから私は張り切ってお昼頃から夕食の準備をしてしまうのだ。

タキさんは仕事が減って有難いなんて言ってくれているけど、仕事を取り上げてしまったようで少し申し訳なくも感じていた。

19時。
夕食の準備も終わってやる事の無い私はもうすでにお風呂も済ませた。
旺介さん早く帰って来ないかな。

その時玄関のベルが大きな音で鳴った。

誰だろう、お客様だろうか。
旺介さんはベルは鳴らさない。

タキさんはもう離れにいる。
焦った私はとっさに玄関のほうへ向かった。

突然のお客様に私は慌てて上着をはおる。
以前旺介さんに下着かと思った、と言われた部屋着で出て行くのはどうかと思ったから。

そして玄関のドアを開けてから気が付いた。
お客様が誰なのかインターホンでちゃんと確認すればよかった事を。

けれどもう遅い。
門の向こうにいるその人と目が合ってしまっているのだから。

私は玄関のドアを開けた事をとても後悔したけれど、今さら無視するわけにもいかず門の扉を開けた。