本気で大好きでした。
8 . ワガママ



「理緒~?あたしたちもそろそろ出るよ」

「うん、わかった」

「泣いてるの?」

「泣いてない。」

「彼方くん?」

「彼方じゃない」

「そっかぁ、行こう」


ねぇ、那緒。

きっと那緒にはわかっていたはずだよね。

気づいてるんだよね


彼方への想いを忘れると決めて

あたしは前に進むよ、那緒

きっと後悔するかもしれない、そのときはたくさん涙の理由聞いてね。お姉ちゃん。


「れなちゃ~ん、もう行くよ~」

「はーい」


3人揃って、那緒の新しい感じの軽の車に乗って、家を出発、

どんよりとした空気の車内には、美桜が好きなグループの音楽が流れていた。

後部座席に座る、あたしとれな。

ウトウトしているれなの頭が、あたしの肩にぶつかっては目を覚ましてを繰り返して、もう着く頃に寝だした。

小さい時から変わっていなくてあたしが笑うと、ミラー越しに那緒も微笑んでいた。


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