一階と二階は図書室として、三階は自習室として機能しているため、放課後、遅い時刻まで滞在している生徒も多い。

階段の向こうにある自動販売機がゴウッと機動音を立て、紗矢はびくりと肩を揺らした。

入ってすぐの場所に窓口があるが、今そこはカーテンが引かれていて、人の気配は無い。

受付どころか、館内に自分たち以外の気配はない。静まり返っている。

そして電気も付けられていないため薄暗くもあり、幾ばくかの薄気味悪さが漂っている。

クリーム色の壁にはいくつもの扉が並んでいて、扉と扉の間には資格試験を告知するポスターがぺたりぺたりと貼られている。

扉の向こうは、整然と並べられた本棚や大勢で並んで座れる長テーブル、個別に仕切られた読書スペース、そして壁際にふかふかのソファーが置かれている。

紗矢は痛みを堪えて立ち上がり、室内に入るべく歩き出した。


「あ、いや。違うよ」



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