しかしその表情は全く違うもので、紗矢はあまり可愛いと思えなかった。


(ランスは越河君の鳥……だったら、あの鳥は峰岸君の飼っている鳥?)


家を出たその時からずっと、灰色の鳥は卓人を追いかけるようについてきているのだ。

疑問を投げかけるように横を歩く卓人を見れば、すぐに卓人も紗矢を見下ろしてきた。


「なあに?」


紗矢の心がどきりと反応する。

後光の如く差し込んできた日差しが、薄茶色の髪の毛に反射し、綺麗な天使の輪を作り上げている。

更に彩りを添えるかのように、卓人が無邪気な笑みを浮かべた。


(……可愛い。可愛すぎるって!)


濃紺のブレザーとグレーのスラックス。

それが紗矢たちの通う五之木(いつのき)学園の男子の制服であり、もちろん彼も身に纏っている。


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